参考までに、家庭菜園まめ知識
家庭菜園の第一歩!タネを買う前にやらなくてはいけないこと。土作り?それもありますが、まずは何の野菜を作るかプランを立てなくてはいけません。
タネを蒔く時期、どこに作るか、どのくらい作るかなど、菜園を図に書いておくと後で管理がしやすくなります。また、連作障害の予防としても効果があります。そのプランを立てるのに必要な知識、菜園作りのアドバイスを豆知識程度ですが、ご紹介します。
菜園づくり
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土作りが基本
- ・野菜作りによい場所は、日当たり、水はけ、風通しのよい所です。
このような条件は、庭の一部を家庭菜園に利用する場合などでは意外とそろいません。
少しでもよい状態に近づくように改善する一方、その条件下で耐えられる野菜の種類・品種を選ぶことも必要です。
- ・すべての植物は太陽の光を受けて光合成を行い、生長します。日当たりが悪いと野菜の生育は悪くなりますので、できるだけ半日以上は、日の当る場所を選びましょう。
- ・ほとんどの野菜は90%前後が水分で、土が乾くとよく育ちません。
かといって、水はけが悪ければ、水分が十分でも土中の酸素が不足して、根が伸びなくなります。
- ・水はけの悪い場合は、高畝にしたり、周囲に排水用の溝を作ったりします。逆に乾きやすい場合は、平畝にしたり、敷きわら・マルチなどしたり、水分を逃げにくくします。
- ・有機質の堆肥・腐葉土・ピートモスなどを十分に施し、土と一緒にすき込み土を団粒構造にして、水分・肥料・酸素の保持をよくすることも大切です。
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種の蒔き時期
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意外と重要な種蒔き時期
- ・昔から野菜のできのよしあしは、種を蒔いた段階で7~8割は決まるともいわれています。それほど種の蒔き時期は大切です。
- ・市販の種の袋には、裏面におおまかな地域別の種蒔き時期が書かれていますが、あくまで目安程度と思ってください。毎年、天気や温度などの気象条件も違いますし、山間部・平坦部によっても違います。地域の種苗店や、近所で尋ねるのが良いかと思われます。
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連作と輪作
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知らずにやっているかも
- ・毎年同じ場所に同じ種類や同じ科の野菜を作ることを連作といいます。
連作をすると、野菜が病気にかかりやすくなったり、野菜のできが悪くなったりします。これを「連作障害」、または「いや地現象」といいます。これは、連作することによって、特定の病原菌が増えたり、土の中の養分バランスがくずれたりするからです。
- ・連作による障害を起こしにくくする為に、種類の違う野菜を組み合わせ、同じ科の野菜を繰り返し作らないようにすることを輪作といいます。
連作の害を避け、いつも新鮮な野菜が収穫できるように菜園をいくつかに区切って、種類の違う野菜を組み合わせるよう、計画を立てることが大切です。
代表的な種類と輪作の必要年限
- ・1年以上:ブロッコリー、キャベツ、カブ、ネギ、オクラ
- ・2年以上:ハクサイ、ホウレンソウ、レタス、パセリ、サラダナ、イチゴ
- ・3年以上:キュウリ、トマト、ピーマン、ナス、ウリ、ソラマメ、ゴボウ
- ・4~5年以上:エンドウ、インゲン、スイカ
- ・連作障害が出にくい:カボチャ、ニンジン、ダイコン、コマツナ、タマネギ
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野菜の生育に適した温度
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温度で蒔き時期も分かる
- ・野菜には種類によって、高い温度、低い温度を好むものがあります。例外もありますが、発芽適温もそれに比例し、高いもの低いものがあります。
代表的な種類の温度適応性
- ・低い温度を好む野菜(生育適温15~20℃)
エンドウ、ソラマメ、ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ、ネギ、ニンジン、パセリ、ブロッコリー、レタス、ツケナ類
- ・高い温度を好む野菜(生育適温22~27℃)
エダマメ、インゲン、カボチャ、キュウリ、ナス、ピーマン、トマト、オクラ、シソ、ニラ、トウモロコシ、アスパラガス、ツルムラサキ
- ・最近は、品種改良により耐寒性・耐暑性のある品種が増えましたので、家庭菜園でも作りやすくなってきてます。
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野菜の分類
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知っておいて損はなし
- ・野菜を植物学的な立場から、植物の形や性質によって分類したもので、同じ科のものは花や果実の形がにており、病害虫も似てきます。
- ・分類を利用し、同じ科の野菜を同じ場所に続けて作らないようにすれば、連作障害になりにくくなります。
自然分類法による分類
- ・ヒユ科(旧アカザ科):ビート、ホウレンソウ
- ・アブラナ科:ハクサイ、ツケナ類、キャベツ、ハナヤサイ、 ダイコン、カブ
- ・バラ科:イチゴ
- ・アオイ科:オクラ
- ・マメ科:ソラマメ、エンドウ、インゲンマメ、エダマメ、ラッカセイ
- ・セリ科:セルリー、パセリ、セリ、ミツバ、ニンジン
- ・ナス科:ナス、トマト、トウガラシ、ピーマン、シシトウ
- ・ウリ科:キュウリ、メロン、スイカ、カボチャ、マクワウリ、シロウリ、ニガウリ
- ・キク科:レタス、シュンギク、フキ、ゴボウ
- ・イネ科:トウモロコシ
- ・ユリ科:タマネギ、ネギ、ニラ、アスパラガス
- ・シソ科:シソ
- ・ツルムラサキ科:ツルムラサキ
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パッケージ表記の見方
パッケージデザインについて
- ・現在、弊社で取扱い出荷している種子について、パッケージのデザインが大きく分けて3種類あります。それぞれ販売先の意向、弊社の在庫、その他の理由により分かれている以外、内容に違いはありません。
- ・出荷時期とパッケージ在庫状況により、販売店によっては1と3のデザインが混在する場合があります。予めご了承ください。
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パッケージ裏面の表記について
パッケージ裏面の表記について
- 裏面の中段左側に内容量・生産地等が印刷され表記されています。以下にそれぞれの項目について説明致します。
- ① 数量:袋に入っている種子の量。
- ② 発芽率:内容量のうち表記の数値以上は発芽する値。
(袋詰め前の弊社発芽試験結果)
- ③ 有効期限:種蒔きに利用出来る期限。(西暦表記 下二桁及び月)
※旧パッケージなど「一ヶ年有効」表記のものがあります。
- ④ 生産地:種子の生産及び採種地。
- ⑤ 備考欄:種子消毒の為に使用した薬剤及び回数が表記されます。未消毒・薬剤を使用していない場合は「※この種子は農薬を使用していません。」と表記されます。
- ⑥ 備考欄:弊社の在庫管理で使用するロット番号。
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その他
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発芽しない
そもそも、種が発芽するには適当な温度、水分、酸素の3つの条件がまず必要です。種類によっては光があったほうが良く発芽するもの、暗黒のほうが良く発芽するものがあります。主に芽がでてこない原因としては、次のようなことが考えられます。
蒔きどきが不適切:発芽適温に対して、地温が低すぎたり、高すぎたりしたために発芽まで日数がかかり、土中で腐敗菌に侵されてしまった。
水分の過不足:潅水を多くしてしまった。また、長雨のため過湿になり酸素が不足した。反対に、雨などが降らず乾燥して水分の供給が不十分だった。
覆土の仕方が悪い:基本的に覆土の目安は、蒔こうとする種の厚さ2~3倍です。しかし、好光性の種や発芽力の弱い種類(ニンジン・ネギなど)は、覆土が厚すぎると発芽が悪く、反対に嫌光性の種はある程度覆土を厚くしないと、発芽が悪くなります。
肥料やけ:施した肥料がまき溝にたまっていて、種から出た根が伸びることができず腐ってしまった。
種が悪い:種の保存状態が悪い、種が古いなど、発芽力が低下していた。
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発芽の条件って
タネが発芽するには三つの大きな条件があります。
温度:発芽のよしあしは温度条件に左右されることが多く、高すぎず低すぎずの適温があります。野菜ごとに発芽適温は違いますので、種子袋などで確認してください。
水分:発芽するさいには、種子の重量にほぼ等しい重量の水分を吸収します。こちらも多すぎても少なすぎても発芽しません。
酸素:タネも植物ですから酸素がないと発芽しません。土が湿りすぎて酸素不足により発芽不良になることもあります。さらに「光」も必要な野菜もありますので、注意が必要です。
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タネが余ってしまった
野菜の種類にもよりますが、ビンやタッパーなど密閉容器に入れ冷蔵庫に置いておき、保存状態が良ければ次の年も蒔けます。 しかしながら発芽は悪くなりますので、確実に苗・株数を確保するには新しいタネを購入することをおすすめします。
小松菜など春秋蒔ける物は春の残りを秋に使えますが、秋大根を次の年の春に蒔くと花が咲きます。これは白菜・ほうれん草などにも言えることで、基本的に秋蒔きのタネは晩抽性などを持っていないので、このようなことが起きます。
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肥料の三大要素って
野菜の生育に必要な成分(要素)のことで、その窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)のことです。 窒素は葉や茎を育てる働きがあり、主に葉菜類に重要で、リン酸は実の肥大に関係し、果菜類などに欠かせない成分です。
カリは根の発育を良くする働きがあり、根菜類には特に重要ですが、根の発育と言う部分では、野菜全般に必要な成分です。
他にも微量要素・中量要素がありますが、堆肥などを使うことにより補えるものがほとんどですので、特に気にしなくても大丈夫でしょう。
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害虫・病気の種類が分からない
野菜の種類、品種の増加により様々な害虫・病気があります。
害虫については、調べれば殺虫剤などで対応出来ますが、病気の場合は見分けが難しいものや、正確な対処が出来ない場合があります。害虫により病気になったのか、環境なのか、生理障害なのかなど、こればかりは経験が必要になってきます。
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タネに赤や青の色が付いている
種に色が付いている場合、ほとんどが殺菌剤などの薬剤処理がされています。 発芽するまでの病気を防ぐためで、収穫までにその成分が残ることはまずありません。
他にもコーティング・ネーキッド処理をしたもの、ロットを分けるために着色だけする場合もあります。
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